Really Saying Something

雑文系ブログです。

横浜語り

同僚が横浜についてたくさん書いてたのを見たら横浜について書きたくなった。

といっても私は横浜出身ではない。横浜に意識して行った最初の目的は「友達同士でアニメイトに行く」だった。親に連れられてではなく、自分たちだけで電車に乗っていくのは当時大冒険だったのだ。今ほど自由になるお金を持っていない頃、食事やお茶をしたのかどうかまったく覚えていない。ダイヤモンド地下街のサーティワンくらいには入ったかも。

実家から一番近い繁華街ということもあって、かなり身近な街ではあったけど、やっぱりどこか「よその大きい都市」という感覚だった。一番近づいたのは浪人時代に横浜の予備校に通っていた時期かな。とはいえ横浜には大きい予備校がいくつかあったので、模試やら夏季講習やらであちこち潜り込んでいた。授業をさぼって遊んだりもした。といってもゲーセンとか、電車に乗って伊勢佐木モールや野毛のあたりをうろうろしたりとか。ハマボウルには行ったことなかったなぁ。残念。

大学に入ったら入ったで一時期通学路になったので、今度は付近を散歩するという技を覚えた。全然知らないけど適当に反町とか白楽とかで電車を降りてうろうろしたり(しかし今やまったく覚えていない)。岡田屋モアーズの本屋さんに通いまくって、割と長めの上下巻の文庫本を読破したのもいい思い出。ちゃんとその本は買いましたよ!(読み終わった後に)

他にもたくさんたくさんいろんなところに行ったり、歩いたり、遊んだりしたけど、ぱっと思い出せるエピソードは少ない。なにしろ多すぎるのだった。

社会人になってからは横浜で遊ぶことはほとんどなくなった。都内に通っていると途中下車する機会はなくなるものだ。行動範囲が広がるのと同時に、休みの日に横浜に行くこともなくなった。しかし意外な形で横浜は活躍する。高校・大学の時の友達はなぜか、社会人になると横浜近辺に住んだり、結婚して新居を構えたりすることが多かった。たまに会って近況報告するのに一番いい場所は横浜駅周辺だった。

高校の時たぶん片手に入るくらいに仲の良かった友達(そういえば横浜には住んでなかったな)と、今はなきシァルの中のカフェで長いこと話したことがある。別の友達の結婚式のために、私がビックカメラで初めてのデジタルカメラを買った後で、友達は大学時代から付き合っている彼の話をずっとしていた(私は友達ののろけ話を聞くのが好きだった)。確か大学を出てから2年くらい経った頃。友達はその1~2年後に結婚して、私は2代目のデジカメを持って式に参列した。そしてやっぱり友達夫妻は横浜近辺に住んだ。

その友達は、2007年に病気で亡くなった。その前の年に自分が結婚したので、式も何もしなかったけど、と年賀状を送ったら、その返事で病気のことを教えてくれた。もう5年前なのか。友達との思い出は高校時代を含めていろいろあるのに、シァルでひたすら話し込んでいたことをなぜか真っ先に思い出す。シァルがなくなったのは寂しいといえば寂しいけれど、私が関東に戻ってくる前になくなったおかげで、その記憶が強化されているような気がする。