Really Saying Something

雑文系ブログです。

いっそのこと隕石の方が楽なのでは?

海外旅行に行くと死ぬんじゃないかと思っている。

もう少し正確に書くと、すりに遭ったり強盗に遭ったり、重い病気にかかったり大きなけがをしたり、荷物をなくしたりパスポートやお金をとられたり、するんじゃないかと思っている。もちろんまったく合理的でない思考なのはわかっている。人生でこれまで3回海外に行って死なずに帰ってきたし、不愉快な目に遭ってもいない。言葉が通じなくてもなんとかなる場面があることも知っている。それでもだめなのだ。死んだら遺体搬送に莫大なお金がかかって家族に申し訳ないな、と思ったりもする。

もう1つの大きな要因は言語で、すごく極端にいえば話せないから死にそうなときに死ぬ確率が高くなる、というのもあることはあるけど、全ての言語をマスターしてから海外に行く(あるいは行こうとする国を決めてからその国の言語をマスターする)のはかなり厳しい。なのでこっちはあきらめた。

これまであまりこのことについて誰かに言う機会は極端に少なかった。極めて合理的でないし、「だったら行かなきゃいい」という(結果として今までその通りにしている)結論が安易に導き出せるからだ。そしてそもそもだけど理解されにくい。しかし東急ハンズでふらふらと、たまたま帽子売り場に近かった旅行グッズ売り場を見ていて、どうにも抑えきれなくなったので、おそるおそる夫に告げてみた。

夫の回答は極めて合理的で、全員が全員犯罪に遭うわけではないし、犯罪に遭うとしたら日本にいたって可能性は同じ(ゼロではない)だし、飛行機や新幹線や電車や自動車でも死ぬような事故に遭うこともあるし、ロシアのように隕石が落ちてくることもあるし、それがいやで家に閉じこもっていても火事にあったりすることもある、という話だった。大変わかりやすい。

しかしわかりやすく、頭では理解できても、恐怖心は消えないのであった。冷静に考えてみれば、日本にいて普通に家を出て会社に行って帰ってくる生活の中で、「気をつけないと下手したら死ぬよなぁ」という考えは一応持っている。日本にいれば安全だとか、日本が一番いいとか、そこまでは考えていない。言語が通じやすいというのはあるかもしれないけど。

こういうのは考え続けるとひたすら恐怖が極まっていく方向にしかいかないので、考えないで放っておくとか、考えないで海外に行っちゃうのがたぶんいいと思うけど、どこでもドアあたりがない限り考えないで海外にいる状態は作り出せないのでなかなか難しい。