Really Saying Something

雑文系ブログです。

ナンパされた話

あんまり生活情報ばっかり書いてもあれなので変な話も。

4年前くらいのちょっと暑い日の昼間、大きな道路沿いの歩道をてくてく歩いていた。地下鉄で3/4駅分くらい先にある銀行に行く用事があった。次の予定、その次の予定と脳内で組み立てながら歩いていたので、あんまり周囲が目に入らなかった。もともと芸能人が近くを歩いてても気づかないくらい周囲を見てないけど。

外国人(168cmの私が見上げるくらいの身体大きめの黒人の方だった)が声をかけてきた。不意打ちをくらって私は呆然とした。私はほとんどの英語が聞けないし話せないのだけど(冷静に考えれば英語の話者かどうかもその瞬間はわからない)、そもそも歩いていた場所周辺ではあんまりアジア系以外の外国の人を見かけないのだ。そして周辺の地理に自分は詳しくない。道を聞かれても正確に(しかも英語で)答えられない。端的に言えばパニクった。

しかしその人が話しかけてきた内容は全く道を聞くものではなかった。だいぶ記憶が薄れてしまったが、「あなたは背が高くて素敵だ」「お話ししたい」「付き合ってもらえないか(だいぶ意訳。実際はもうちょっと違うニュアンス)」であった。私はますますパニクった。何しろ自分に英語で何かが話しかけられるときのテーマは道案内一択だ。「ちょっと待って」「まっすぐ行く」「あそこだ」くらいしか会話のパターンを持っていない。

自分がどう答えたか、パニックのあまりすっかり忘れてしまっているけど、「自分には夫がいる」「ごめんなさい」「行けません」みたいなことを言ったと思う。なんで「夫がいる」という細かいことをはっきり覚えているかというと、それを聞いた相手が「それでもいいから」みたいなことを言い始めて、内容はともかくそれにどう返答すれば適切かさっぱりわからなかった、という記憶があるからだ。

典型的日本人がごとく焦る笑顔と会釈で別れたような気がする。たぶん。あんまり覚えてない。そしてその後、同じ道路を通りかかるときに数回その人を見かけた。まっすぐな道で見つけてすれ違うと認識したら、日傘が顔にかかるようにしてやり過ごした(視力がいいので割と何とかなる)。

なんで突然この話を書いたかというと、日傘を持つか持たないか微妙な時期、かつ暑かった日の出来事だったから。ちょうど境目の季節になるとなんとなく思い出すのだった。