Really Saying Something

雑文系ブログです。

祖父母(概念)(その2)

toya.hatenablog.com
今週のお題「結婚を決めた理由」←が知りたいという話です。

母方の祖父母について以前書いたことがあった。1歳のときに祖父が亡くなり、4歳のときに祖母が亡くなった。もうどちらも35年以上前のことだ。

祖父母は再婚同士だったという。祖父には前の奥さんとの間に男の子がいて、祖母との間に4人の女の子が生まれた。つまり私の母親にはお兄さんがいたそうなのだが、そのお兄さんとは4人のうち長姉しか会ったことがないらしい。病弱で早くに亡くなったという話を聞いた。祖母の前の旦那さんの話は聞いたことがなかったけど、子供が生まれないというので折り合いが悪くなって離婚したらしい。祖父との間には4人。あっ(小町案件疑惑)。いずれも遠い昔の話である。少なくとも戦前の話。

祖父母は概ね仲がよく(けんかしたという話もちらほら聞いたけど)、祖父が日射病のため亡くなった後、あんまり間を置かずに祖母が脳卒中で亡くなったのも、「向こうに行った祖父が寂しがって連れていったのでは」と言われるくらいだった。裕福な暮らしではなかったけどそれなりにつつましく幸せな人生だったのではないかなぁ、くらいには思える。

とはいえ亡くなった後にあれこれ聞いていると、再婚同士で風当たりはきつくなかったのかとか、祖父母それぞれの親兄弟たちはどんな感じだったのだろうとか、娘4人についてもいろいろあっただろうとか、なんとなく気になる。気になるけどもうその辺の親戚付き合いも絶えて久しい。生きているのはたぶん母親から見ていとこに当たる人くらいだろうし。もうそれを聞く手立てはないし、運が良ければあの世でという感じだけど、残念、私はあんまり祖父母の顔を知らないのである。

そういう、ある特定の個人にとってだけ重要な記憶、でも基本的には記録されない記憶について、ふと考えることがある。

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夏に山形県を訪れたとき、鶴岡市にある「大宝館」に行った。鶴岡市の偉人の業績を展示していて、「鶴岡市の教育の発展に務めた」のようなかなり細かい(例はうろ覚えです、すみません)レベルの紹介文や資料が添えられている。鶴岡市の小学生なら学ぶ可能性がありそうだけど、研究者や行政関係の人でなければ、他の地域の人は大宝館でしか知ることができなさそうだ、とぼんやり思いつつ、面白く丁寧に見て回った。資料に名を残す偉人でさえ、その偉業にアクセスするのは難しい。いわんや市井の人をや。