Really Saying Something

雑文系ブログです。

突然ウッチャンナンチャン愛について語る










Twitterで見かけたtweetをきっかけにだらだらtweetしてしまって、終わらせたつもりだったけど、皿洗いしてるときにいろいろぐるぐる考えたので書く。

ここ最近話題になってそうな「いじめと笑いの構図」って完全に大昔から、それこそ狂言くらいからたぶんあって(日本文学専攻で能・狂言がご専門の知り合いがいるのであんまり簡単には言いづらい……)、私が小さい頃の話だとドリフとかコント55号とかだって「小学生には大人気」だけど「PTAは子供に見せたくない」番組で、ドリフなんて突然ピンクの照明でストリップの真似事始めたり新婚の奥さんとの初夜を描いたり(桜田淳子とかよくやってた)、欽ちゃんだって二郎さんをいじめ抜いてた訳で、台本があるかどうかは別として、いじめと笑い(と下ネタ)は本当にすれすれ紙一重で、そりゃPTAだっていやなはずなんですよ。うんこちんちんとか言うし。

昔がおおらかだった!とか言うつもりはさらさらなく、うわこれぎりぎりだな、でも笑ってしまう、と思ったのがtweetでも書いた「てるとたいぞう」なんです。コント番組「笑う犬の生活」で始まったこのコント、シリーズがどんどん増えていってラストどうなったか正直「生活」以外あんまり好きじゃなかったので知らないんですが(だからはっぱ隊も実は知らない)、すごく面白くてスーツ姿もかっこよくて好き、でもちょっと厳しい、って、正義漢ぶるとかじゃなくて、正直言ってほんと素直に思ってました。好きなお笑いタレントが好きなコントやってるけどその内容が明らかにLGBT(当時この言葉は広まってませんが)を笑い者にしている、このアンビバレンツ。

お正月のかくし芸大会(昔のお正月の定番の特番だったんです!)で今も記憶に残ってるのが、ハナ肇さん(クレージーキャッツを率いるリーダー、渡辺プロの重鎮)が銅像の役でずっと動けない状態でいるところに、普段は下っ端として扱われる若者芸人が水かけたりたらい落としたりする、という番組でおなじみのネタ。当時を知らない人がこれ読んでもさっぱりわからんと思うんですが「えらい人にいつもは威張られてる下々の者どもが、動けないえらい人に対してめちゃくちゃやる」というイメージでお願いします。それにウンナンがまだ20代くらいの駆け出しの頃(当然私はまだファンでも何でもなく、ただのテレビ好きな子供)に出演して、銅像になってるハナ肇さんをスリッパで叩いたり粉かけたり水かけたりして、最後にオチがついて(オチ忘れた)、その後にカットがかかった瞬間、ウンナン二人ともスライディング土下座くらいの勢いで「すみませんでした!!!」って謝るんですよ。ここまで書いて、本編じゃなくて舞台裏の特番のような気がしてきた。とにかくそこまで込みで映像として流して笑いが完結したのを見て、子供ながらに「これは圧倒的な上下関係があるから成り立つんだな」っておぼろげにわかったわけです。それが「夢で逢えたら」放映より前だったか後だったかはっきりとは覚えていませんが、たぶんお笑いスター誕生よりは後、って感じじゃないかな……さすがにとっさにはわからんな……。大宅壮一文庫か何かにいかないと……。

その圧倒的な上下関係は、マジョリティとマイノリティの関係にも通じますよね。

最近になってなんとなーく「LIFE!」「イッテQ」「ネタパレ」の人気で忘れてしまってたんですけど、やるならやらねばが打ち切りになり、ありがとやんしたとか炎チャレとか気分は上々。とかウリナリとかいろもんとか、いろいろなウンナンの出る番組が人気になって、その後少しずつ減っていって、笑う犬シリーズが終わって、ウンナンがそろう方が珍しくなり、お正月の「爆笑ヒットパレード」の司会もいつの間にかナイナイに代わり、イロモネアがレギュラーから特番になって「ああ、ウンナンが元気でよかった」という安堵を得るための番組(いや好きですけど)になっていって、いつかまたショートコントとかやってくれる日はくるのかなぁ、とかぼんやり寂しく思っていた時期があったんです。ソロのトークライブとか狂言とかチケット取れないから推しにお金払うことも難しいし……。ぼーっとして月日が経つうちに、なんだか気がついたらあちこちでウンナンをピンで見るようになって、このお正月は内村さんの紅白総合司会も含め意外なほどにウンナンを見かけました。

こういっちゃ切ないですが、近年の「毒が許されず、何を言ってもすぐネットニュースになっちゃう」ご時世に、たまたま無色透明と評されるウンナンの居場所ができた、という印象があります。あんまり毒々しくない、でもキレ芸はやる、ボケもツッコミもどっちも担当する。一周回って活躍の場が広がったんだろうか、とちょっと斜に構えてしまうんですが、2人が活躍する(のを見る)のはとてもうれしいし、ありがたいことです。

どうせライブとかやると一瞬でチケット取れなくなっちゃうんだけどさー。