Really Saying Something

雑文系ブログです。

「好きな芸能人は誰ですか」問題

雑談の話題の一種に「好きな芸能人を挙げる」というものがある。私は「V6の長野くんです。ウルトラマンティガの人です」あるいは「ウッチャンナンチャンの内村さんです」とよどみなく返答する。ここ17年くらいはこれで来ている。私は滑らかに回答できるし、理由を聞かれれば「どちらも優しそうな雰囲気に見えるけど実は腹黒そうなところ」とすらすら答える。

この「好きな」というのは実に曖昧である。文字通り「好きな」であればこれらの回答に嘘はない。しかし、「恋愛対象として自分の好みである」「恋愛/結婚の対象として仮に想定する」となると話は全く別物になる。はずかしながら、内村さんに対してはファンになった直後、結婚したいな、と思ったことがあった(ファンレターなどを含む具体的アプローチはしていません)。それを知った母親が「あんなに年上の人との結婚はだめ」と釘を刺してきた。11歳年上だ。今思えばなぜ母親が全力マジレスしてきたのかよくわからないが、「えー11歳くらいいいじゃん」と思った。母親は「義理の息子が自分と10歳ちょっとしか離れていないのはいやだ」と言った。その後紆余曲折を経て、内村さんがパートナーとして選んだ女性は、私と同い年の内村(旧姓:徳永)有美さんだった。私は妻となった人を「戦友」と評した内村さんに対し心から祝福するとともに、「やっぱり11歳くらいなんでもなかった」と当時のほのかな恋心を肯定してあげたくなった。

アイドルを応援するスタンスは実にさまざまだと思う。V6の長野くんには恋心のようなものは一切ない。そりゃ好きだし、変なところがあっても「だがそこがいい」という感じだし、ノーチェックだった雑誌でただ似顔絵イラスト入りコメントを見かけただけでラッキー感半端ない。しかしどうもジャニーズ所属タレントに対して、いわゆる「ガチ勢」のような気持ちにはなれなかったし、たぶん今後もないだろう。

「恋愛対象の中に芸能人がいる」というのが私にとって相当現実味のない話である以上、なかなか恋愛対象として芸能人を仮想することができず、真の意味では「好きな芸能人は誰ですか」という問いに答えることができない。もしかしたら嫌いな芸能人の中にプライベートでは気が合う人がいるのかもしれない(いなさそうではあるが)。いったん内村さんや長野くんを除いて考えた結果、やはり該当者なし、という結論になった。

これまでにひとりだけ、レッド吉田さんに対してだけは、ちらりとそのような願望が芽生えたことがある。なぜレッド吉田さんだったのかちょっと説明が難しい。説明が難しいくらい、きっとなんとなくとにかく好きだったのではないか、と思う。ここまでに挙げなかったのは、レッド吉田さんが嫌いになったとかではなく、競馬番組で淡々と毎週見るようになって、なぜか気持ちが消えたから。好きだった気持ちがふと消えるのってなんとなくリアルな恋心っぽくないですか。