Really Saying Something

雑文系ブログです。

突然「観る将」になった初心者将棋ファンが買った本 Part2

週末も将棋の本を読んでいました。ちょっと興味が出てきた時に手元にKindleがあると怖いですね。というかこんなに集中して一気に読まなくてもいいのでは??????

うつ病九段(先崎学著)

将棋にハマるようになる前に単行本で「話題の本」として読んでいました。先崎学九段がエッセイストとしても活動されていたことを全く知らず、将棋と文章という組み合わせがあることすら思い至りませんでした。「観る将」になって、再読してみようとして単行本をどこへやったか思い出せず、Kindleで買い直そうとしたところ、文庫化されているのを知りました。ラッキー。

内容はもちろん闘病記ですが、先崎九段の視点から見ることで、将棋とはこういう世界なのかーというふうに思えるのではないかと思います。闘病の記録としても、ここまできっちり書き切るのはすごいと思いました。

将棋指しの腹のうち(先崎学著)

将棋指しの腹のうち

将棋指しの腹のうち

  • 作者:学, 先崎
  • 発売日: 2020/01/22
  • メディア: 単行本

うつ病九段」文庫版をKindleで読み、次に先崎九段の著書を読んでみたくなってAmazonのおすすめに従ってこれを読みました。お店と食と将棋の世界(ただしちょっとだけ裏側寄り)の話。いわゆる“将棋めし”ブームになる前に棋士が食べるごはんに注目するということを知っていた気がするんですが、最近の流れだと藤井聡太二冠フィーバーからみたいに見えてますよね。羽生善治九段フィーバーの頃の記憶だろうか。どんな世界でも食から見ると楽しいことが多いのであっという間に読みました。面白かった。

将棋指し57人の日常(週刊将棋編)

将棋指し57人の日常

将棋指し57人の日常

  • 発売日: 2014/03/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

日常っぽいものを読んでみようとして購入。しかし途中で止まってます。中身は面白いのですがフォントサイズを変えることができず、小さい文字はピンチアウトするしかなく、老眼(認めたくないが)を持つ身としてはなかなかつらい。のんびり読み進めようと思います。竹俣紅女流2級(当時)の情報もありました。小さい。

将棋の渡辺くん伊奈めぐみ著)

前回1・4・5巻を買ったということを書いたのですが結局2・3巻も買ったので既刊全部買ったことになりました。最初から読めばよかったですね……。そしてやはり渡辺くんは趣味の幅が広い。

増補 頭脳勝負 ――将棋の世界(渡辺明著)

将棋の渡辺くん』の“渡辺くん”こと渡辺明三冠による将棋の世界入門。将棋を観る時のポイントやバックグラウンドの解説がとてもわかりやすいです。戦型やルール、基本的な戦い方もうっすらわかるようになる!棋譜は細かいところわからなかったですごめんなさい私のせいです!けど面白いです!(※まだそこまでたどりつけていない)『将棋の渡辺くん』と一緒に読むとさらにいい気がしています。

介護士からプロ棋士へ 大器じゃないけど、晩成しました(今泉健司著)

奨励会を二度退会し、プロ編入試験を経て戦後最年長の41歳で棋士となった今泉健司五段のエッセイ・自伝。奨励会三段リーグの書き尽くせない大変さは知ってはいましたが、奨励会は2回退会可能なのか……といろいろな知識を補強してもらいました。

泣き虫しょったんの奇跡 完全版 サラリーマンから将棋のプロへ(瀬川晶司著)

プロ編入制度がない時に、プロ編入の嘆願書を提出して戦後初(1944年に花村元司九段の例があったことを知りませんでした)の編入試験を受けプロ入りした瀬川晶司六段のエッセイ・自伝。奨励会三段リーグの大変さがとにかく……。

編集者T君の謎 将棋業界のゆかいな人びと(大崎善生著)

編集者T君の謎 (講談社文庫)

編集者T君の謎 (講談社文庫)

奨励会三段リーグの大変さが身にしみた後にライトな読み物として読んだ大崎善生さんのエッセイ。映画化された故・村山聖九段のノンフィクション作品『聖の青春』の原作者であることをこのタイミングで知ります。すごい遠回りだ。

さすがに村山聖九段のことだけは知っていましたが、ここでまっすぐ『聖の青春』に行くのは芸がないな……と思って先にエッセイを読みました。ここで大崎さんが日本将棋連盟の職員、そして雑誌『将棋世界』の編集長だったことを知ります。とにかく遠回りだ。

ここまで読んでくると、じわじわ「どの棋士とどの棋士にエピソードがあって」みたいなものが少しずつ立体的に見えてきます。

将棋の子(大崎善生著)

将棋の子 (角川文庫)

将棋の子 (角川文庫)

大崎さんの2冊目のノンフィクション作品。ここでまっすぐ『聖の青春』に行くのは芸がない第2弾。芸がないとは思いつつ、どちらかというと2冊連続して奨励会退会→プロ編入の本を読んだので、奨励会を退会せざるを得ずその後さまざまな道へ進んだ人たちの話を知りたいなとも思っていたのでした。一人の少年(著者と同郷)を軸にして他の退会した人々も絡めて書くという形に私が慣れておらず、何回か行きつ戻りつをしてしまったものの、すぐに慣れました。

聖の青春(大崎善生著)

聖の青春 (講談社文庫)

聖の青春 (講談社文庫)

『将棋の子』を読み切った後に、もうしょうがない読むぞ、と覚悟を決めて読みました。詳しくはWikipediaを読んでくれ。

聖の青春 - Wikipedia
村山聖 - Wikipedia

確かに私は村山聖九段と同じ時代にいたはずなのに、ちょっとした興味関心の向き加減で活躍当時はほぼ知らず、没後に興味を持つことになるとは思いませんでした。羽生フィーバーの頃も、羽生善治九段について「寝癖がある」「畠田理恵さんと結婚した」「とにかく強いらしい」……これくらいしか知らなかったからなぁ。ましてや同世代をや。せめて10代の私が、もうちょっとだけ見聞が広ければ。