Really Saying Something

雑文系ブログです。

谷町四丁目で得た「大阪生活」の楽しさと懐かしさ

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2009年から2010年にかけて1年足らずの間、大阪の谷町四丁目付近に住んでいた。大阪の地名を知らない人にとっては「『丁目』って言われても」と思われるかもしれない。大阪には不思議な駅名があって、「天神橋筋六丁目」「谷町九丁目」など住所っぽい駅が存在する。そのうちの一つが「谷町四丁目駅」で、通称「谷四(たによん)」。

2007年末に東京から大阪に引っ越して、1年半ほど過ごした。それまでの仕事を辞めて夫の大阪への転勤についていった私は、大阪を好きになろうとしつつ、どこかふわふわと現実感のない住み方をしていた気がする。そのうち引っ越しの機会が出てきて、あちこち次のすみかの候補を見に行く日々が続いた。

率直にいえば、私は「どこだかわからない大阪の街」を歩き回るのに疲れていた。地名と路線図が一致しない。駅名がわからない。そういうことは地味にストレスになる。幸い鉄道も地図も好きだったからよかったものの、もしどちらも興味がなかったら相当苦しい思いをしたはずだ。

ある日出かけた先で、緑と坂道の多い場所があった。大阪駅(梅田駅)周辺には緑がない。東京でいう皇居のような緑地もない。思いつくのは大阪城がある大阪城公園くらいだ。その大阪城にまあまあ近いところで、あんまり都会過ぎず、でも暮らしに必要なものはだいたいある、そこが谷町四丁目だった。

物件を決める前か決めた後かわからなかったけど、谷四を散歩した。谷四の周辺にはよくわからないタイミングでひょこっと木が生えていたり、ちょっとした豪邸の庭があったりした。大阪の中では高台に位置づけられる上町台地の近辺なので、坂道もあちこちにある。私は自分が大きくなった街である鎌倉に似ているなと感じた。

大阪に住み始めて、周囲にあまりにも山がなくて驚いていた時期がある。ぺったりとしていて、その代わりといってはなんだけど大きな川がある。後に大阪の地理と歴史を知ってからは納得したけど、当時はどこまでもどこまでも続くように思えた「街」にちょっと疲れていた。

谷四の新しいすみかは、保育園と公園に近い坂の途中にあった。谷四からは繁華街まで歩いていける。週末には心斎橋近辺、阪神高速の近く、大阪城NHK難波宮跡、空堀商店街、松屋町筋を歩き回った。だらだらと谷町筋を散歩した。谷町九丁目まで歩くと、お寺がやたらと続くところを抜けたら突然ラブホテル街が登場するのにびっくりした。天満橋まで歩いて中之島周辺をふらふらした。小さな遊覧船に乗って桜が咲く川岸を見た。北浜で美味しいケーキ屋さんを見つけた。

谷四を引越し先に選んだ理由は鎌倉に似た環境だったからだと、後に夫から種明かしされた。確かに、引っ越してから1年足らずの間、のびのびと過ごすことができたように思う。谷四での生活はささやかながら楽しかった。

長く続くはずだった大阪生活は、谷四から引っ越さざるを得なくなったある事情をきっかけに、結局東京へと戻るまでの慌ただしさで埋め尽くされ、突如終わりを迎えた。それでも谷四に住んだ1年弱のおかげで、私はいろいろなことがあった大阪を嫌いにならずに済んだのだと思っている。

東京に戻ってからも半年に一度ほど大阪に行く用事があって、ちゃんと地下鉄にも電車にも乗れて、めちゃくちゃにといっていいほど変貌した梅田の繁華街を歩けているし、淀川をゆっくり渡っていく景色を懐かしいと思うことができている。

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あなたの大映ドラマはどこから? 私は「不良少女とよばれて」から!

togetter.com

私はこれを見て「堺正章孫悟空夏目雅子三蔵法師」バージョンのドラマが思い浮かんで(OPめっちゃ好き)、そういや「どこから?」シリーズって結構あるな……とぼんやり考えていました。再放送も含め魔女っ子シリーズは「花の子ルンルン」、ロボット系は「機動戦士ガンダム」、ドラえもん映画なら「のび太の宇宙開拓史」、世界名作劇場なら「トム・ソーヤーの冒険」、戦隊シリーズなら「大戦隊ゴーグルファイブ」(これより前のものは再放送で見ているため記憶がはっきりしない)……あたりがちゃんと記憶があるリアルタイムで視聴した作品でした。世界名作劇場戦隊シリーズは昔頻繁に再放送されていたので、バトルフィーバーJやら母をたずねて三千里やら、見てはいるんですけどね。

で、はたと思いついたのが「最初に見てた大映ドラマは何か」。記憶では、いとうまい子さん(当時は伊藤麻衣子さん)主演の「不良少女とよばれて」だと思ってたのですが、Wikipediaで答え合わせをしたら「噂の刑事トミーとマツ」だったようです。この辺も再放送が盛んだったので記憶入れ替わりまくり。

「ドラマの放送順を覚えるのが好きな子供」だったので、当時ブログかなんか書かせたらいろいろ記録してそうなのですが、あいにく紙に記録するなどはしていませんでした。唐突ですが記憶にある好きだった大映ドラマを書きます。

不良少女とよばれて1984年)

私が「大映ドラマ」として初めて視聴したと認識していたドラマ。この時9歳、かつ放送時間帯が20時からということで生活リズムとの辻褄は合っている。これはおそらく私が好きで見始めたのではなくて、母親が松村雄基さんをとても好きだったので見てたのではないかと思われます。これ以来松村雄基さんのことはどんな役でも「朝男ちゃん」と呼ぶ習慣が生まれました。比企理恵さんの死に方が壮絶でね……大映ドラマの発想はどうかしてるぜ……。

ヤヌスの鏡(1985年)

杉浦幸さん主演。これはオープニング曲の「今夜はANGEL」(椎名恵)がめちゃくちゃ好きでした。ドラマももちろん好きだったけど。当時音楽をどのようにして調べるのか手段を持たなかった私は、実際の曲とTVサイズが結構違ったことに後にショックを受けることになります。二重人格とか祖母との確執とか不良とか(また不良かよという感じだけど)大映ドラマが好きな人向け要素がどんどこ突っ込まれていてツッコミどころも多いけど面白かった。おばあさん役の初井言榮さんは後に映画「天空の城ラピュタ」のドーラ役として私がめっちゃ好きな女優さんの一人となり、ナレーションの来宮良子さんは「ナレーター」という仕事を私に認識させた人となります。

少女に何が起ったか(1985年)

小泉今日子さん主演。大変申し訳ないことに「なんでこの人こんなに棒読みなの……」って思ってました。あと「薄汚ねえシンデレラ」! いっつも同じ時間に現れて勝手に罵ってくわーかめ好き好き! ツッコミどころしかない! 雪彦もうちょっと頑張れよ! などなど、大映ドラマ感てんこもりでしたが、今Wikipedia読んだらたった12回しかやってなかったことがわかりました。同じことを延々と半年はやってたと思ってたのに……。後に朝ドラ「あまちゃん」でちょっとだけセリフが登場してましたね。と思ったらWikipediaにも書かれていた。ドラマのタイトルが「起こったか」じゃないことがどうもしっくりこないのですが、放送当時は「起った」で本則だったのかもしれない。が、図書館に行かないと当時の辞書はわからない。

乳姉妹(1985年)

伊藤かずえさん・渡辺桂子さん主演。オープニング厨(???)なのでこのドラマのオープニングも大好きでした。線路と列車、そして印象的なイントロ! 麻倉未稀さんの「RUNAWAY」として認識していたのですが、原曲はボン・ジョヴィのデビュー曲だと30年後くらいに知りました……(「Runaway(夜明けのランナウェイ)」)。原作が吉屋信子ということで、昔の作家はずいぶんファンキーな話を書くのだなと勘違いしまくっており、これまたざっくり8年後くらいに高校の国語の副読本「国語総覧」で勘違いを解く機会が訪れます。ドラマの影響受けやすすぎるだろ私。

スチュワーデス物語(1983年)

「野良猫ガッツでがんばろう!」とかいろいろ歌ってましたね(思い出して書く気になれないくらい大量にある)。言わずとしれた大映ドラマならではのざっくりした展開と主演の堀ちえみさんの棒読み(今はちゃんとしてる)が印象的でした。スチュワーデス(今はキャビンアテンダント)は各国通貨の換算をすぐにできなきゃだめということにより、幼稚園の時からの公式設定だった「将来の夢はスチュワーデス」が打ち砕かれました。あと今でも手袋とか片平なぎささんとか見ると口で手袋をくわえたくなりませんか?

スクール☆ウォーズ1984年〜1985年)

私がラグビーをなんとなく好きな理由の原点がここにある。今ラグビーワールドカップを楽しく見ていられるのはスクール☆ウォーズのおかげなんだよ……。ありがとう川浜高校……。当時と今とでルールが結構違うそうですが、なんだかんだ用語が記憶に残っているのは助かる。いろいろな名言もありますが割愛します。約35年後くらいにバイクの免許を取ろうとした際に「あのオープニングで学校の廊下をまっすぐ走ったり、校庭を8の字で走ったりする不良、実はバイクの運転めっちゃ上手なのでは?」と全く違うところで目からうろこでした。

ポニーテールはふり向かない(1985年〜1986年)

いつもちょっとだけ悪役風味の伊藤かずえさんが主演で、後に失明しちゃうんですけど(突然のネタバレ)、理由がめっちゃ怖くてそれ以来その理由になったものを見ると一瞬びびるようになりました(先端恐怖症気味なので書くのも怖い)。高橋かおりさんが妹キャラとして出てきて後に死んじゃうんですけど(ネタバレ)、その理由が白血病で、あざが消えないというところから病魔に冒されていくんですね。その後あざができると「白血病では……」と思うようになったので、本当に影響受けやすいなと思います。

花嫁衣裳は誰が着る(1986年)

堀ちえみさん主演。実はあんまりストーリーには興味がなくて、ただただオープニングの「愛は眠らない」(椎名恵) が流れる中で舞い踊る花嫁衣装姿のダンサー?が怖いなーと思って見ていました。約20年後、ゲーム「ダンスダンスレボリューション」で原曲であるオリビアニュートンジョンの「そよ風の誘惑 ―Have You Never Been Mellow―」を聞いて「花嫁衣装のシーン怖かったなぁ」と思い出すことになります。今Wikipediaであらすじ読み返しても本当にストーリーが思い出せなくて、オープニングだけが気になってたのかもしれません。

アリエスの乙女たち(1987年)

南野陽子さん主演(もう一人佐倉しおりさんも主演扱い?)。今でいうところの百合っぽい予告だったのですが中身は全然そんなことなかった。このドラマは当時の私にとっては難解で、途中で相楽晴子さん(当時は相楽ハル子)がかわいそうなことになり、なんか全員煮え切らんなー展開おっそいなーという気持ちで見ておりました。この辺で大映ドラマから脱落している記憶があります。小学校卒業〜中学生になって生活リズムが変わったんだな。

その後の大映ドラマもいくつか見てるけど

ドラマ一覧を見ていると単発で見ているものはいくつかありましたが、通しで記憶に残っているのは上記くらいでした。あと、以前ほどドラマの再放送が地上波で行われないというのもあるかもしれません。CSで追っかけてればたぶん再放送に当たる機会もあるのでしょうけど……。こうしてなんとなく雑に振り返ると、オープニング・エンディングにやたらこだわってた子供なんだなーと新たな発見がありました。昔は各局の放送終わり・放送始まり(クロージング・オープニング)の映像を見るのも好きだったし、映画のエンドロールも好きだし、頑張ってメモしてネットにアップする人になってたらそっち方面でこの謎のこだわりを残せてたかもしれない、という気がしています。