Really Saying Something

雑文系ブログです。

記憶のためのヒント

記憶力はいい方だと思う。事細かには覚えていられないけど、自分にとって印象的な出来事や言葉、シチュエーションはまあまあはっきり覚えてて、しかも忘れにくい。幼稚園のときに「起きたことを忘れないように」といろいろな記憶を反芻して忘れてないことにほっとする(という記憶がある)なんてことをしていたと思う。そのせいか、今でも小さい頃のことをまあまあ覚えている。途中で美化したり改ざんしたりしたかもしれないけど。

状況証拠から考えて、現時点で一番古いはずなのは2歳半くらいの記憶。妹を妊娠中の母親が私を連れて実家のある青森に里帰り出産のために戻っていたときのことである(という状況は後から聞いた)。祖母といとこと一緒に手をつないで坂を上っている(銭湯に行くためだったらしい)ところ、八百屋さんに立ち寄ったところ、牛乳が飲めないのでコーヒー牛乳を買ってもらったこと。実家でお風呂に入れてもらったときに、頭からお湯をかけられてびっくりして泣いたこと。あといくつかエピソードがあったけどさすがに忘れてしまったなぁ。その次は4歳くらいで相当はっきりしていて、祖母が危篤になって青森まで寝台列車で帰ったり、お葬式に行く前におじが吸っていたたばこで手の甲をやけどしたり、廊下に落ちていた祖母の入れ歯が怖かったり、通夜振る舞いらしき席で父親の膝の上で初めて甘エビを食べたり。そこから後はもうだいぶ記憶がしっかりしている。

忘れることは悪、とまではいかないけど記憶を保持するのが善くらいには思ってずっとずっと過ごしてきたのだけど、今日はたと思い当たることがあって驚いた。去年の今頃の記憶があんまりない。すぽっと抜けてるとかじゃないけど、普段の行動パターンだったら絶対に覚えてるはずのことが全く出てこなかった。東京への引っ越しを控えた時期だった(そう、もうそろそろ1年経つ)のもあるけどあまりにもあまりな感じだったのでびっくりだ。その割に生まれて初めて救急車を呼んだこととかは詳細に覚えてたりする。

そういうことがあるからではないけれど、忘れたくないなと思うことがあると、日記やブログに直接書くのではなく何かの方法でヒントを残しておくくせがある。例えば写真であったり、写真に写したものであったり、単語であったり。あとから見て思い出せないこともあるけど勝率は5割くらいなのでまあまあ効率的なんじゃないかと思う。が、最近あんまりそれをしなくなった。する習慣が薄れたのもあるかもしれないし、単にそういう余裕がないだけなのかもしれない。けど明らかに回数が減った。なんとなく思い返すと、忘れても大丈夫と思うようになった(あるいは自然と思っている)からやらなくなった気がする。その「大丈夫」は何を指して「大丈夫」なのかはっきりはわからないけど。でも先ほどの「覚えてるはずのことを思い出せないしそのヒントが自分の中にないことにも確信がある」状態を経験すると、ヒント残しをしといた方がいいのかもなーとちょっとだけ思った。