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婦人科の内診について思うこと

産婦人科医としてというより、個人的に内診について思うこと - tabitoraのブログ

婦人科検診における内診に関する話って、患者側は状況も心証もひとりひとり全く違うし、お医者さんによっても全く対応が異なるし、看護師さん、ひいては病院の受付まで全然違う話なので、一般化するのははなから無理なものとして、個人的な体験と考え方を書きます。

書こうと思うまでにだいぶ迷ったけど、「こういう人もいる」という話がネット上に1つあるのもいいことかな、という気持ちと、若い女性はおそらく書きづらい話題であろうということ、あとは産婦人科医の方への感謝を表すのもいいかな、と思いまして。私は産婦人科の受診でいやな思いをしたことがおそらくほとんどありません。それはかなりラッキーなことだと思っています。

スペックを最初に書いておきます。あと、私をリアルに知っている人にとってはちょっとっていう内容かもしれないので、そういう場合はこの辺で引き返してください。警告終わり。警告はしましたよ。

  • 30代後半、女性、出産経験なし
  • 産婦人科に最初に行ったのは確か(はっきりと思い出せません)16歳か17歳か。内科・小児科・産婦人科併設の病院でした
  • 婦人科の手術経験あり
  • 毎年の人間ドックで婦人科オプションをつけている

たぶん私は内診に対して相当抵抗感が薄い方だと思います(さすがにゼロではありません)。薄いというより、自分にとって必要である、という認識から積極的に婦人科を受診しています。

スペックに書いた「最初の受診経験」が、結構大事だったのかなーと思います。カンジタ症でした。

この感染症は、性行為の未経験者でもかかります。そしてかかった人はお分かりかと思いますが、非常に強いかゆみを伴います。なんとかやりすごすとか、ごまかすとか、そういうのが一切効かないレベルのかゆみです。私は恥ずかしいなと思いながら、母親に相談しました。母親は即座に「病院へ行こう」と言いました。母親もカンジタ症の経験者で、ストレスや過労、体調不良(風邪など)で症状が出ることを知っていたのでした。

母親に付き添われて病院へ行き、診察は一人で受けました。抗真菌薬の軟膏(塗り薬)のみ処方された記憶があります。確か内診はなかったように思います。最初の産婦人科受診で母親から病院を信頼することを教わった、そしてその病院が特に威圧的に思えなかった(親切だったかは忘れました)というのは、本当に本当にラッキーだったと思います。

母親も含め、母方の関係者には婦人科系が弱い人が多く、高い確率で自分も婦人科系疾患にかかるだろうとは考えていました。初めての内診がどんな感じだったか全然覚えていないのですが(仮に覚えていたとしてもさすがにここに書くのは控えそうですが)、器具の冷たさや痛み、出血などはあっても、自分で治せない類いの病気である以上、必要なことだと思っていたように思います。風邪や切り傷・打撲といった自分で多少何とかできる病気ではなく、罹患した場合に症状もわかりやすくは現れないからです。

低容量ピルを処方してくれる病院(産科はない、「レディースクリニック」という名称の婦人科でした)にもいくつか通ったことがあります。よくピルの処方時にいやな思いをする人がいるという話があります。説教をされたり、性生活について余計なことをいわれたりするようです。私はそういう経験がなく、副作用やピルの種類に関する質問にも根気よく答えてくれる医師に当たりました。なのでいやな思いをした人に、真に共感することができなくて、申し訳ない気持ちになることがあります。

ちなみにピルについては製薬会社のサイトのほか、以下のサイトで勉強しました。ピルを飲まなくなってからは見なくなっていましたが、今も更新されていてすごいなぁと思います。

内診を受けていてよかったと思ったのは、人間ドックの際にオプションで付けるようにした婦人科検診のときでした。特に婦人科のトラブルがなかったため久しく受診しておらず、そろそろ機会があるなら受けとくか、と受診した膣エコー検査で、しっかり病気が見つかりました。しかもカーテンの向こう側で一瞬戸惑いがあるのがわかったくらいで(でも腹部エコーだろうが胃のX線検査だろうが「あ、今なんか見てるな」ってわかりますよね)。結果が出てすぐに近所の産婦人科に行き、加療を経て手術まで行きました。近所の産婦人科でも、手術を受けた病院でも、必要がありそうな事柄はすべて説明してもらって、自分で本を買って勉強した内容を聞いても答えてもらいました。エコーで見える画像を一緒に見たこともあります。その病院の先生は内診台に乗った私とは別の部屋に行ってしまって遠隔会話したりして豪快でかえって好きでした(放置されたと受け取る人もいるかもですが、そのときは先生が何かを調べに行っていたのでした)。

結果として、手術を受けた病気とは別の持病?も見つかりました。もしそれらをずっと放置していたら、どちらの病気でもいずれはもっと大規模な手術を受けたり、がんにかかる可能性が上がることになっていたので、産婦人科や内診に対して抵抗感を薄くするべく考え続けていたのは決して無駄ではなかったなぁ、と思っています。

必要なことであるから、と思ってはいても、やはりすべてを割り切って内診台で堂々としているというのは、なかなか難しいことです。恐怖心はなくても反射は起きます。器具が温めてあっても、皮膚に触れればやはり勝手に脚が閉じようとします。そういうときに、お医者さんだって必要があって見ているのにすみませんね、でもたぶん慣れてますよね、と思いながらよいしょと脚を直します。私が当たったお医者さんは男性も女性も両方いましたが、特にどちらかがよかった、というようなこともありませんでした。現在のかかりつけ医は男性です。

せっかく長々と書いたので、勢いで、元のエントリーに関連していくつか書いておこうと思います。

問診であれやこれや聞かれること。これはもう答えるしかないですよねぇ。性行為のパートナー(男女は関係ないです)がいれば、感染症の可能性が広がるわけで……。私が20代の頃に受けた検査は2種類の試薬だかキットだかを使うと一通りの感染症について陰性と陽性がわかる、という内容でしたが、今はちょっとサンプルを採取するだけでいい感じのようですね(もう内診の回数が多すぎてよくわからなくなった)。最初の方にも書きましたが、行為の有無関係なく感染症になることはあります。普段と違う状態であれば病院に行った方が解決に近そうです。ハードル高いですけど、放置してもあんまり解決しないのではないかと思います。

内診のとき「靴下をはいたままでよい」という話。どちらかというと、「受診時にはストッキングやタイツを避けるとよい→結果として靴下をはく→靴下脱がなくていい」なんじゃないかなあという気がします。ただでさえ内診の前は緊張すると思いますから、そんなときにストッキングが伝線しないように脱ごう、とか結構無理難題なのではないかなと。スカートの方が楽な気もしますが、パンツスタイルだろうがなんだろうが結局下半身裸になることが多くて(病院によりそうです)、腰回りを覆うバスタオルなどを用意してくれるところもあるので(これまた病院によりそう)、脱ぎ着がしやすい格好にするといいんじゃないかなと。

信頼できるお医者さんを探せるかどうかという話。私は実家を離れてからは都市部でしか受診したことがなく、そういう意味では選択肢がかなり多い状態でした。ひどいお医者さんがいたら、たぶん病院を変えることで対処したと思うのですが、何しろあまり当たったことがない。全員がパーフェクトだった!というわけではないけれど、納得して受診し終わったことの方が多いです。個人的にはこうだったという以上のことは書けないのですが、これまで診てくれたお医者さんには感謝しています(今のかかりつけ医にも)。

たぶん今後もずっと産婦人科との付き合いは(検診も込みで)続くので、なんとか少しでもいい感じで内診を受けられるべく、検診を受けることがプラスであるという自分から自分への働きかけを続けていきたいなーと思います。そしてこれは、他の女性にそのまま適用できるとは全く限りません。いやなものはいやだし、ひどいお医者さんにあたったらむかつくし傷つくだろうと思います。でも何とか、婦人科系疾患で命を落とさないために、お医者さん側も患者さん側もいい方向に向かえるといいなと願っています。

ここまで下半身の方の婦人科疾患について書いてきましたが、上半身(胸)の方もつらい人はつらいんじゃないかなと思うのですがどうでしょうか。20代前半でマンモグラフィー受けたときは痛くて泣きました。それ以来ずっとエコー検査でごまかしてきましたが、異常が見つかって10年以上ぶりにマンモグラフィーをやってみたら、意外といけました(痛かったですけどね!)。なんでも乳腺が徐々に脂肪に置き換わっていくので、歳を重ねると痛みが減っていくんだとか。早く言ってほしかった(痛いからいやなんですけど)。