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学校の先生に把握されたくなかった本5選

1年間で1人あたり142冊もの本を読む埼玉県三郷市立彦郷小学校「社会問題の根幹にあるのは読書不足」 | Living Entertainment

この記事を受けて、私は図書館司書資格を持つ者として「図書館の自由に関する宣言」を引用せざるを得ないのですが、

4 わが国においては、図書館が国民の知る自由を保障するのではなく、国民に対する「思想善導」の機関として、国民の知る自由を妨げる役割さえ果たした歴史的事実があることを忘れてはならない。図書館は、この反省の上に、国民の知る自由を守り、ひろげていく責任を果たすことが必要である。

図書館の自由に関する宣言

それはそれとして、「学校の先生に知られたくない読書」って確かにあったなーと思いました。読んでて不適切とは思ってないけど微妙に後ろめたかったり、恥ずかしかったりするやつ。

これは今もいわゆる「性のめざめ」のエピソードとして記憶しているのですが、禁帯出コーナーに(一時期とはいえ)毎日のように出入りする小学生あんまりいなかったので、司書の人には個体識別されていそう。しかし私の出身小学校に学校図書館司書がいたかどうか覚えていない……。

私の義務教育期間において、読んだ本で「これは知られたくなかった、今だから言える」というのを思い出してみようと思います。がんばって5冊出す。

リルケの詩集

リルケ詩集 (岩波文庫)

リルケ詩集 (岩波文庫)

岩波文庫版をはりましたが、単行本で全何巻とかのやつが中学校の図書室にあったのでなんか興味あるふりして読んでました。ザ・中二病! 詩集なんか読んでる女子中学生かっこいいと思ってる! うわー! だせえ! はってみたけどめっちゃはずかしいなこれ!

ドイツ文学にはご縁がありませんでしたが、大学の第二外国語はドイツ語で、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』でドイツ語っぽいワードが出てきて割と楽しかったです。ドイツ語もう1回くらいチャレンジしたい。英語よりもわかりやすい……ただし巻き舌ができないのでたぶん現地では一生通じないのではなかろうか。

鞦韆

鞦韆(ぶらんこ) (新潮文庫)

鞦韆(ぶらんこ) (新潮文庫)

なんで「ぶらんこ」って読めるのか?って聞かないでくれ!!!! 橋本治さんに興味を持っていろいろ読んでいて当たっただけなんだ! ほんとだ! 「窯変 源氏物語」も面白かったんですがこれは高校に入ってから読んだのでノーカンで。その後大学で「桃尻娘」シリーズに出会って私の人生はまあまあ変わります。

親指Pの修業時代(上・下)

親指Pの修業時代 上 (河出文庫)

親指Pの修業時代 上 (河出文庫)

親指Pの修業時代 下 (河出文庫)

親指Pの修業時代 下 (河出文庫)

エロ系が続きますね。まあ小中学生なんてそんなもんですよね(やけ)。図書館じゃなくて本屋さんで出会った記憶があります。この本は私にとっては「アレルギーという症状を理解した」という記念すべき本でもあります。

真夜中の天使(上・下)

これもエロ……というかやおいというか同性愛というか、の文脈ではありますが、そっちの文脈で知られたくなかったのではなく、なんかこっぱずかしい感じがあって公にしたくない……という気持ちになってたのでした。別に栗本薫作品であれば「終わりのないラブソング」とか、「小説道場」とか(これらは高校生の時に通過したのでノーカン)、まあいろいろあるんですけど、うまく表現できない「はずかしさ」があったのでした。で、それを言語化して思い出させてくれたのが、以下の書評です。名文です。

004 真夜中の天使 上・下 - 栗本薫 全著作レビュー(浜名湖うなぎ) - カクヨム

魔界都市ブルース

魔王伝〈1〉 (ノン・ノベル)

魔王伝〈1〉 (ノン・ノベル)

菊地秀行さんの作品がどうのこうのとか、エログロバイオレンスとかが理由なのではないんです。

当初あまり知られていなかったが、同人作家時代の高河ゆんがこの作品のパロディ本「魔王伝」を出したことをきっかけにブームになり、続いて同人誌が書かれることでファン層が拡大していった[1]。

魔界都市ブルース - Wikipedia

これ! これね! 中学生の時に初めてコミケに行き(寒い幕張メッセ)、高河ゆんさんのスペースに並び、憧れの高河ゆんさんが描いた新刊・既刊を一通り買いそろえられるだけ買いそろえた中に、魔王伝の同人誌があってね……他にトルーパーとかいろいろあったし高河ゆんさんなのでやおいとか普通にあるけどそれは「ファンだから」と堂々と言えるんですけどね……魔界都市ブルースシリーズがはずかしいのは「高河ゆんさんがすっごく好きなのはこれかー」って本屋さんのノベルスコーナーに行って立ち読みを始めた時の衝撃がね……なんか私が同人誌から思い描いていたのとだいぶ違ったんですよね……好きな人を盲目的に信じたらだめって思ったよね……(重ね重ね、菊地秀行先生の作品に罪はありません。想像と違った上にあんまり好きなタイプの作風でないのに勝手に何も知らずに高河ゆんさんの描く世界を勝手に繰り広げた挙げ句に違ったっていうプロセスがめちゃくちゃはずかしい……まさに中二病……)。