Really Saying Something

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思い出のレストラン「うるま御殿」(大阪市大正区)

大阪に住んでいた最後のほう、諸事情あって私たち夫婦はくたくたに疲れていた。くたくたに疲れていた我々を、文字通り陰になり日向になり支えてくれたご夫婦がいた。何度も何度も直接お礼を言ったけど、言い足りることはまったくない。

(その諸事情については語るスペースはない)

東京に引っ越し、何度か大阪のその人たちを訪ねる機会があって、いつも晩ごはんに誘ってもらった。そのご夫婦のうち旦那さんは、とても小食で、自分の気に入ったものをほんの少ししか食べない。なのに我々を連れ出して車に乗せて外食しに行くのだ。その車にはカーナビがなくて、大阪の道路を熟知したその人はいとも簡単に混んでいない道をすいすいと走っていくのだった。

何回目かに訪問したとき、その人は「たまにはちょっと違うところに行こう。いい沖縄料理屋さんがあるから、今から予約を取る」と行った。ちょっとした交渉のあとで、そのご夫婦と息子さん、我々の計5人の席が確保された。

いつもと同じように車に乗せてもらい、大正区のうるま御殿という沖縄料理店に着いた。

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なんでもその辺りでは割と有名なお店らしく、関西ローカルのテレビや雑誌に結構取り上げられているようだった。お店の前の方にはステージがあって、沖縄民謡のショーをほぼ毎晩やるらしい。旦那さんは沖縄が大好きで、仕事の出張ついでに沖縄のゲストハウスに泊まったり、あちこちに飲みに行ったりしていたそうだ。そのご縁で知った店だということだった。

海ぶどうやらヒラヤーチーやらおいしい沖縄料理を食べ、めちゃくちゃうまくカチャーシーを踊る子供(沖縄民謡教室にいるそうだ)の踊りを見て、沖縄の宴会らしくその場にいる人みんなでカチャーシー状態になって、大変楽しく過ごした。奥さんは「toyaさん(仮名)が笑うようになってよかった」と言った。旦那さんは「堅苦しい席ばかりじゃなくて、こんな風に一緒にごはんを食べたと思い出してもらえたらいい」と何度も繰り返した。

その後「あの沖縄料理のお店はよかった」と何度も思い出すのだけど、心からよかったと思い出したのは、旦那さんのお葬式の場だった。

旦那さんが我々に伝えた通り、我々は「そういえばあのとき一緒に沖縄料理を食べに行った」と思い返し、喪主を務めた奥さんや、息子さんたちと、その思い出をしっかり共有したのだった。こんなに的確で思いやりにあふれ、しかも意図が明確になった食事の事例を、私はほかにあまり知らない。旦那さんにとっては私はほんのわずかな縁しかない人間だったはずだったのに、いつも私にまで、本当に隅々まで気を配ってくれて、この人と親戚になれてよかった、と思った。

ぐるなびお題「思い出のレストラン」
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