Really Saying Something

雑文系ブログです。

大貫隆『聖書の読み方』(岩波新書 1223)

キリスト教の信仰を持つ人も持たない人も引っかかる「聖書の読みづらさ」について解説した本。……なんですが、冒頭で例示された「キリスト教の授業を受けた学生によるアンケートの内容に対して直球で答えてくれる訳ではなく、聖書のという書物の読む順番や考え方、全体の構成を解説した本という印象でした。

私は幼稚園がカトリックだったこともあってなんとなく親しんでおり、またちょっと前まではいろいろなキリスト教に関する本に目を通して(といっても膨大にあるからほんの一部ですが)、なんとかベースとなる知識があったからよかったものの、初学者、特にノンクリスチャンの方にとってはあんまり役に立たないな……という読後感でした。私が調べすぎてたというのもありますが。

逐語霊感説や、聖書に直接は描かれない「三位一体」の教義、聖母マリアの無原罪などをどう聖書から読み取ればいいのかやっぱりわからんなーと思いました。カトリックやオーソドックス(正教)では聖書だけではなく、習慣(キリスト教用語でなんというか忘れた!)も儀式も大事だというスタンスだと理解しているので、全教派に通じるためのものではないという目的なのだということはわかった、しかし……というちょっともやもやした気持ちになります。

大学で初めてキリスト教に触れたという人にはわかりやすいのかな、と。

聖書の読み方 (岩波新書)

聖書の読み方 (岩波新書)