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雑文系ブログです。

ビックカメラ渋谷東口店・ダイエー東三国店・中野駅南口近くのコンビニの#あの店員さんがすごい と思った体験

ビックカメラ谷東口店のPC売り場の店員さん

ビックカメラのお題キャンペーンだからというわけではなく、数年前の実話です。

ある日渋谷で仕事用PCを使う機会があり、用事の前にちょっと用件の整理をしておこうとコーヒーショップでそのPCを開いたところ、バッテリーの残りがめちゃくちゃ減っていることに気づきました。外で用事がある時に、PCも何もかもきちんと充電をしておくのは鉄則です。そして念のため、本来であればACアダプタもセットで持ち歩いているはずでした。なんてことだ。用事が終わるまでどうがんばってもバッテリーがもちそうにありません。慌ててコーヒーを飲み干して一番近くにあった(と思う)ビックカメラに飛び込みました。

飛び込んだはいいものの、「ノートPC用ACアダプター」という言葉がとっさに出てこない。おろおろと売り場を歩き回る私に、店員さんが声をかけてくれます。「何かお探しですか?」「あの……PCを充電できるような……大きめの充電するものってありますか……?」 確かこんな感じのやりとりをしたように思いますが(具体的には何も覚えていいない)、店員さんは確か、規格とかタイプとかを優しく聞いてくれました(天使の声のように聞こえる)。私の、しどろもどろで要領を得ない回答をヒントに、なんとか該当する商品のあるコーナーに連れていってくれた店員さん……! お礼を言ってシュッと商品を買い、電源のある場所に移動して(当初のコーヒーショップだった気もするけど本当に覚えていない)、充電して(充電はした)、事なきを得ました。

マジでその時の店員さんは神が遣わした天使かな?と思いました(「神対応」という言葉が出てくるよりちょい前の話です)。用事は無事に済んだと思います(覚えていないけど今無事でいるのでなんとかなったんだろう)。本当に拙い、何を言ってるのかわからん話をもとに、私を救い出してくれて、用事もなんとかしてくれて、ありがとうございました。

ダイエー 東三国店・イオンフードスタイルの店員さん

私は一時期大阪に住んでいたことがありました。もうだいぶ昔のことで、夫の仕事の都合で行って、結局その4年後に戻ってくるわけですが、当時は文字通り「骨を埋める」気持ちで引っ越しをしました。

最初に住んだのは、新大阪駅から御堂筋線で一駅北にある東三国駅の近くです。今でこそなんとか看板と地上の風景を頼りに梅田の地下街を歩けるようになりましたが、当時はガチで迷子になって夫に迎えにきてもらったり、やや治安の悪いタイミングで変なところを歩いてしまったり、いろいろやりました。

冬に突入した12月半ば、近所の地理感覚もわからず、駅と自宅とスーパーを行き来するだけであとはインターネットにべったりだった私は、生まれて初めて腰を痛めてしまい、「運動不足ですね」と指摘されてたいそう悲しくなりました。その後にやっと「近代建築を巡ってみる」「中之島を歩いてみる」など楽しみ方を覚えましたが、当時はウォーキングをしようにも道がわからないので、外に出たくなかったのです。

また、これまた生まれて初めての専業主婦生活で気負っていた私は、毎日の夕飯の献立を考えることに疲れ果て、半ば泣きながら「今日はごはんを作れない」と夫にメールするなど、今じっくり考えれば精神的に不安定でもありました。晩ごはんのことを考えるだけで家から一歩も出られなくなるし、自炊しないとお金が減っていく一方で就職活動もしないといけないし、何しろ道がわからない。ちょっと論理の飛躍がありますが、地理感覚がつかめないことにはハローワークにも行けなかったのです。

道がわからない中で一番近いスーパーとして通っていたのが、ダイエー 東三国店・イオンフードスタイルです(当時はたぶん店名が違った)。もっと遠くに行けばもっとでかいスーパーがあるにもかかわらず、一番近いからと使い倒していました。自炊に疲れた時はお惣菜やお弁当を買ったし、ちょっと散歩する行き先にも使った。とにかく存在自体がありがたかったのでした。

中でも、もう名前を忘れてしまいましたが、いつも安定したシフトでレジに入っていてくれた店員さんが、私の心の支えになりました。安定。その二文字はシフトのみならず、接客態度もレジの打ち方も、何もかもが安定しているのです。挙動不審な状態でもぼーっとしていてもその店員さんの態度は変わらず、いつも通りにレジを打っていつも通りにお会計をしてくれる。いつしか私は、多少混雑していてもその店員さんの列に必ず並ぶようになりました。地理感覚が安定しない中で「安定している」存在だったその店員さんを見るだけで心が和みました。

お礼も言えず別の場所に引っ越してしまったけれど、ぐにゃぐにゃしていた大阪生活の始まりを支えてくれたのは、間違いなく「安定した」店員さんでした。

中野駅南口にあるコンビニの店員さん

さてそんな大阪生活は4年ほどで終わり、私たちは東京に戻ってきました。最後の1年は二人とも精神的にずたずたのぼろぼろになっていて、住処を決めたのも引っ越したのも本当に大変で(引っ越し当日、朝7時にトラックが来るのに、4時くらいまで荷造りをしていた)、とにかく疲れ切っていました。

ある日用事があって、中野駅南口から(ニューデイズを除いて)たぶん一番近いコンビニで、私は切手を買いました。無意識に「切手をここでなめて貼るのははしたないけど、さてどうしたものか」と思っていたんだと思います。それを察した店員さんは、「そこに切手用の水があるので使ってください」というようなことを言ってくれたのです。

その間本当にわずか数秒。たったの数秒で、途方に暮れていた私に声をかけて、レジで切手を貼らせてくれた。しかも水があることに気づかずにいた私に声をかけてくれた。そのことが、当時人間不信になりかかっていた私に、「こんな私に優しくしてくれる人がいる」「まだ人間を信じてもいいんだ」と思わせてくれたのです。

いや、店員さんにしてみれば「切手を買った人に水を示す」はルーティンだったのだと思います。そのルーティンが本当にうれしかったし、疲れた身体にしみました。切手を貼ってポストに入れた私は、大げさではなく、泣きながら歩いて引っ越したての家に帰りました。この切手の1件がなかったら、私は人間不信のまましばらく過ごすことになったでしょう。それくらい「切手1枚を買った自分に優しくしてくれた」店員さんの存在はありがたかったのです。

あれから12年が経ち、中野は離れてしまったけれど、中野のコンビニにあの瞬間にいてくれた切手のお兄さんが、あの時からずっと幸せでいてくれますようにと願っています。

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