Really Saying Something

雑文系ブログです。

車とラジオと音楽と

小さい頃父親の運転でドライブに出かける時、よくFMラジオが流れていた。

当時はカーステレオなんていう高級なものはなくて、AM/FMラジオをかける装置しか搭載されていなかったように思う(乗っていた車がスカイラインだということだけしか覚えていない)。AMでは野球中継を、FMでは洋楽がよくかかる番組を聴いていた気がする。

インターネットというものももちろん存在しておらず、まだ語彙も発達しておらず、気に入った曲があってもメロディーや全体の雰囲気を記憶しておくことしか私にはできなかった。今ではもちろん忘れてしまったが、4〜5歳の頃「これは好きな音楽」と思ったものがあれば頑張って覚えていることができていた。10歳くらいまではなんとか保持していたと思うが、「そういうことがあった」としか今では思い出せなくなっている。

その中で、運良く後々にタイトルとアーティスト名が判明した曲が2曲ある。ビリー・ジョエルの「ストレンジャー(Stranger)」(1977年)と、ジョージ・ウィンストンの「あこがれ/愛 (Longing/Love)」(1980年)*1

どちらも今だったら「切ない感じで口笛吹いてるやつ」「ピアノでニュース番組に使われてるやつ」などいくらでも形容できるだろうけど、何しろ当時は「切ない」なんていう言葉も感情も知らない。なんかちょっと悲しい感じだけど悲しくはなくて……みたいなことしかたぶん言えなかったんじゃなかろうか。前者は母親がビリー・ジョエルの楽曲を好んでいたおかげで、家でラジオを聴いている何かのタイミングで判明した。後者は曲名を知るための手がかりが「ニュースで使われている」「よくCMでも流れている」で、確か中学生の時にわかったはず(なぜかというとCDレンタルをするようになったのが中学生の時で、ジョージ・ウィンストンのアルバムを総当たりしたから)。今から思うと有名な楽曲とはいえよく「これが好き」と思ったものを執念深く覚え続けていたなぁ、と感慨深い。もちろんそれまでの間に、ラジオやCMで繰り返し流れては記憶を補強できるくらい、どちらの曲も圧倒的な知名度だったからだけど。

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by ホンダアクセス

*1:Stingの「Englishman In New York」も当てはまるかと思ったら発表年代が違った